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「津居山かに」
カニの本場=本場のカニか?
※画像をクリックすると大きな画像を見る事ができます

まずは上の画像。三匹の活カニが写っています。
全て同じ種類(ズワイガニ)ですが、実はそれぞれ産地が違います。

何処のカニか分かります?(^_^;)


一番上のカニには青いタグが付いてますね。
そう、津居山産(津居山かに)です♪

じゃあ、真ん中と一番下は何処でしょう?


難しいですね〜(?_?) 
こうして画像で見る限り、ほとんど違いは分かりません…。

正体は真ん中が北朝鮮産、一番下はロシア産で、どちらも輸入カニです。
価格的には、ナント「地物(津居山かに)」の1/2以下( ̄□ ̄;)!!
安い物を探せば、1/3〜1/4程度の価格から流通しています(*_*;

この輸入カニ。当店でも料理店への発送など業販用に取り扱っていますが、
特別に取り寄せたわけではなく、日本国内でごく普通に流通していますし、
むしろ津居山かに等の「地ガニ」よりも多く流通しています。

画像のカニは生のままの活カニですが、中心となるのは冷凍品で、
特に甲羅を外して足だけに加工したものが「カニスキセット」等の名で
数多く格安販売されています。
ご近所のスーパーやデパート等でも売ってますよね(^_^;)

これらの輸入カニが爆発的に流通量を増やした原因は、
1980年代に地ガニの漁獲量が激減し、価格が急騰したことにあります。

豊富な漁獲量に支えられた供給の安定性と、それによる圧倒的な低価格が、
流通量の増加に拍車をかけ、いつしか地ガニの代用品としての枠を飛び越え、
地ガニを凌駕する存在となりました。

これら輸入カニの販売に際しては、スーパーやデパート等の大手小売店では、
牛肉の偽装販売等でずいぶんと批判を受けましたので、食品表示に神経質に
なっており、輸入品である旨がハッキリと表示されています。

しかし右上に書いた「カニの本場(カニ産地)」では、曖昧な表示や表示自体が
無いケースが非常に多く見られ、お客さんに突っ込まれてようやく輸入品である旨を説明したり、最悪の場合には輸入品を「地物」と偽って販売しているケースも見られます(*_*;

理由として考えられるのは、
@これらの多くは観光地で、お客さんの大半が観光客=一見さんであること。
常連さんや地元の人とは違い、後々トラブルになる可能性も低いため、
売りっ放し・売り逃げといった火事場泥棒的な商売が成り立ってしまいます(*_*;特に「一度買って貰えれば、もう来て頂かなくても結構」という発想で
商売をしている業者にとっては、非常にオイシイ商品なのです(~_~;)
「また来られると困る(-_-;)」ってのが、そういった業者の本音でしょうが(^_^;)
A販売業者には、一つのカニ産地で限定的に店を構える小規模な業者が多く、
大手小売店のように全国各地にわたって店を構えるような、大規模な業者は
ほとんどありません。
そのため食品表示や販売システム等の統一的な規格(社内マニュアル)も無く、
個々の店ごとに異なり、また表示への意識が希薄になりがちです。

B「黙っていれば分からない」これが、ある意味で一番大きな要因でしょう。
「カニの本場=売られているのは本場で獲れたカニ」という意識はありませんか?確かにそれが、本来あるべき姿だと思います。
しかし実際は、ここに書いてきたように、輸入カニの方が遥かに多く流通し、
多くのお客さんが「地物」だと誤解して購入されています…。
「間違える方が悪い」などと開き直った反論も耳にしますが、
誤解を招く可能性を認識しながら放置したり、あるいは意図的に誤解を招く様な販売を平然と行っている業者も、残念ながら存在します。

この様なやり方は、明らかにJAS法や不当表示防止法に違反する行為であり、
告発されれば処分を受けかねない、極めてリスクの高い販売方法です。
にもかかわらず、多くの業者が危ない橋を渡る理由はただ一つ、
「儲かるから」
この一言に尽きます。

輸入カニは原価が圧倒的に安い分、かなり高い「掛け率」であっても、
地ガニよりも遥かに安く販売する事が出来ます。
お客さんに対しては地ガニに比べて格安な印象を与えつつ、
実際は濡れ手に粟の暴利を得る事が出来る訳です。

黙ってさえいれば、「カニの本場=本場のカニ」という誤解に乗じて、
それこそ面白いように売れていくものの、輸入カニであると表示すれば、
売り上げもガタ落ちになるでしょう。


「間違える方が悪い」などといった馬鹿げた理屈でもって、
責任を消費者に押し付けるのは、全くの論外です。
しかしながら、そのような馬鹿げた理屈が横行しているのも事実です。

事実を言うと売れないのか、逆に黙っていれば売れるのか。

嫌な話ですが、自己防衛として正確な知識・情報を持っていただかないと、
一部の悪意を持った業者に騙される可能性もある訳です(*_*;
ある意味、ウチもそういう業者の被害者ですしね・・・。

僕がウチのページで、毎回長々としたテキストを書いている理由も、
一つには、お客さんがそういうアホな業者に騙されないためでもありますので、
拙文ではありますが、ご一読いただけると幸いに思います<(_ _)>

甲羅側だと多少は分かりやすい
ですね。真ん中(北朝鮮産)には
白い貝殻が付着していますが、
津居山産にも付着している事が
ありますし、削ぎ落とせば
見分けは付きません(*_*;
実際にそうしている業者も
ありますしね…。
こちらが冷凍の輸入カニです。
カードと比べても、そこそこの
大きさがありますが、価格は
どちらも1匹が¥1000前後と
地ガニとは比較になりません。
ギッシリ箱詰めされた物や…
茹でたもの。
一口に輸入カニと言っても
種類は様々です。

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