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「津居山かに」
輸入の松葉カニ?
※画像をクリックすると大きな画像を見る事ができます

「ズワイガニ」は【水揚げ地】によって呼び名が変わります。
・松葉カニ  … 山陰沿岸
・津居山かに … 兵庫県 津居山漁港
・間人かに  … 京都府 間人漁港
・越前ガニ  … 北陸沿岸
この様な具合です。

でも、ちょっと変だと思いません?
【水揚げ】するためには【漁獲】しなければなりません。

どこで【漁獲】したのか?

「水揚げ地」同様、「漁獲地」も非常に大切な要素である筈ですが、
実際は「水揚げ地」偏重の表示が多く見られます(*_*;


具体的にはどういうことなのか?

例えば、「ロシアの漁船」が「ロシアの領海」で漁獲したズワイガニ。
これを自国に水揚げし、日本に輸出すれば「輸入カニ」となります。

では、直接日本の漁港に水揚げしたらどうなるか?

港への水揚げの時点で「通関手続」が行われ、れっきとした「輸入品」の筈ですが「ロシア産」ではなく「国産」として販売される事もよくあります。
漁獲地がどうであれ、水揚げ地は国内であるという考え方ですね。

更に具体的に言えば、ロシア船がズワイガニを北海道に水揚げした場合。
箱に「北海道」の文字は見えても、「ロシア産」・「輸入品」の表示は、
小さなラベルがあるだけだったり、全く無かったり…。
ロシアと北海道は地理的に近く入船数も非常に多いため、
「地物」に対する「輸入カニ」の比率が高い事も一つの要因かと思われます(+o+)

余談ですが、今となっては懐かしい感のある「宗男ハウス」疑惑の頃。
北海道でのロシア船に対する通関チェックが非常に曖昧で、
偽造の通関書類が横行している実態がメディアで報道されました。
それをきっかけに、北海道で流通している「タラバガニ」の多くがロシアからの輸入品であることや、別種の「アブラガニ」がタラバガニとして流通している事なども明らかとなりました。
2003年末にも某カタログ販売業者で、アブラガニがタラバガニとして販売
されていた事は記憶に新しいところですね…。


話を戻すと、この【水揚げ地】と【漁獲地】のカラクリ、
北海道に限った事ではありません。

カニを漁獲し、活きたまま日本の港に水揚げする外国船。
ロシアの他、「北朝鮮」の船も同様に水揚げしています。

北朝鮮船の漁獲地は、「自国の沿岸部」と「日本海中央部の大和碓」。
そこから近い日本の漁港は…?

そう、山陰地方ですね。
さらに、山陰地方に水揚げされたズワイガニの呼び名は「松葉カニ」…。

ここまで書けばおおよその事は推測していただけると思います。

つまり、「松葉カニ」という名で流通していても、実際は「輸入カニ」。
こういうケースもあるという事ですね(~_~;)

実際に三代目が山陰地方の某市場で体験した事ですが、
活カニが入った箱がありまして、箱にはデカデカと【松葉カニ】の文字。
しかし中身はどう見ても輸入物…。おかしいな?と思って箱の側面を見ると、
4p角ほどの小さなラベルにこれまた小さな字で、
「漁獲地…朝鮮民主主義人民共和国」( ̄□ ̄;)!!

そもそも【松葉カニ】の定義自体が非常に曖昧ですし、
「水揚げ地が山陰だから、輸入であっても松葉カニ」
という理屈も通ってしまうのですが、う〜んどうなんでしょう(?_?)
「松葉カニ=地物カニ」というのが一般的な感覚だと思うのですが?

これらの食品表示に関する法律としては「改正JAS法」がありますが、
実はこれにも問題点がありまして、水産物の表示基準の場合、

・名称 …その内容を表す【一般的な名称】を記載。
・原産地…国産品は【漁獲された地域or水域の名称】を記載。
     ただし、水域名の記載が困難な場合は、【水揚げした港名】
     または【水揚げした港が属する都道府県名】をもって
     水域名の記載に代える。
     輸入品は漁獲された【原産国名を記載】(水域名の併記可)。

こんな感じですが、パッと見てどうでしょう?
抜け道や言い逃れの余地が沢山ありそうですね(~_~;)

まず名称の【一般的な名称】という規定。
標準和名なのか? 松葉カニのような通称名なのか?
何をもって一般的とするか? 曖昧ですね…。
山陰以外で漁獲されたカニを「松葉カニ」と表示しても、
「松葉カニ」が一般的な名称だと考えると、一応筋は通ってしまいます…。
下に画像を載せましたが、北海道に水揚げされたズワイガニが
【北海松葉】の名で販売されたりもしていますし…。

次に原産地について。
【漁獲地域か水域を記載】とありますが、その後の「ただし書き」にご注意!
漁獲水域の記載が困難な場合は【水揚げ港か都道府県名】で代替…。
つまり、「漁獲地」を記載しなくても「水揚げ地」さえ記載すれば
法的には問題ないという事ですね。
もっとも「記載が困難な場合」という条件はありますが、
これも抽象的で、何とでも言い逃れ出来てしまいますね。

三代目が最大のポイントだと思うのは最後の部分、【輸入品について】です。

・輸入品は漁獲された【原産国名】を記載(水域名の併記可)。

つまり、名称の表示に関しては曖昧な規定であるものの、
原産国の表示は【必須】という事ですね。

具体的に言えば、輸入カニを松葉カニと表示しても問題は無いけれども、
「ロシア産」・「北朝鮮産」・「カナダ産」等の原産国表示は必要な訳です。
三代目が某市場で目撃した「北朝鮮産・松葉カニ」も合法なんですね…(*_*;

ただし!

上に書いてきたように、「原産国」を表示せずに販売されている「輸入カニ」も
決して少なくはありませんし、それらは立派な違法行為ということです。

「漁獲地」の代わりに「水揚げ地」の表示を用いるのは【国産品】に限られた
規定であって、【輸入品】については適用外のはずですが、
偶発的に・意図的に法解釈をすり替えている訳です(~_~;)
輸入カニに「日本海産」というような漠然とした表示を併記する事は可能でも、
必ず【原産国】も記載する必要があるわけですね。

この様な偽装表示に対しては行政処分が下される事になりますが、
実際のところ厳密な調査は行われず、野放し状態です(+o+)
仮に発覚しても、
@文書による警告→A(改善が無ければ)業者名の公表・罰金 という処分で、
大手スーパーのようにメディアで大々的に報道されたりしない限りは、
一般の方にはほとんど分からない状態です。
(業者名の公表といっても、せいぜい行政出版物か新聞の地方欄。観光地のように他所からやって来る人が多い場合には、その人達に伝わりません…。)

先日も京都で「半年前に採卵した卵を出荷」という事件がありましたが、
その卵を食べて腹痛を起こした人もいたというのに、処分は文書での警告のみ。
採卵日&賞味期限を偽装表示していたにもかかわらず、
食中毒の原因菌が見つからなかったという理由で軽い処分となりました…。

今回は大々的に報道されたのでご存知の方も多いかと思いますが、
表沙汰になっていない、潜在的な偽装表示というのは山ほどあります。


冷凍や足だけに加工されたカニなら、一般の方でもパッと見て判別出来ますが、
活カニが水槽に泳いでいたらどうでしょう。「地物」だと思ってしまいませんか?
「輸入の活カニ」も大量に流通している現状ですので、
「活カニ=地物」と言う判別方法は全くアテになりません(>_<)

実際にページの一番上に載せている画像。他のページにも載せていますが、
一番上は「津居山かに」。真ん中が「北朝鮮産」。一番下が「ロシア産」です。
こうして3種類並べてじっくり見れば、それぞれの違いも分かりやすいですが、
仮に、ロシア産のカニだけが水槽に泳がされていたらどうですか?

そこが「カニの本場」だったら?

ロシア産と表示されていなかったら?

地物だと偽装表示されていたら?


【見破る自信はありますか?】


このような悪意を持った販売方法も可能ですし、実際に行われています。
現に昨シーズン、城崎の近郊で逮捕者が出ました(*_*;
もっとも捕まったのは偽装販売業者ではなく購入者でしたが…。
(輸入カニを地物と偽って販売していた業者を購入者が恐喝し、恐喝罪で逮捕されました。業者に対する処分は不明です…。)


悪意を持った業者に騙されない方法は、
【正確な知識・判別方法を知る】
これに尽きます。

一口に知識・判別方法と言っても非常に難しいですが、
(三代目もまだまだ未熟者&勉強中です…)
「津居山かに」の場合、誰でも一目で分かる判別方法があります♪

そう、【青いタグ(標識)】 コレです♪

津居山港の漁船が漁獲し、水揚げしたカニのみに付けられる「青いタグ」
タグを付けるに値しないカニには、決して付けられる事はありません。

そしてもう一つのポイントが、
【津居山かには、足だけに加工して販売する事は無い】
という事ですね。


「輸入カニ」が「松葉カニ」になってしまったり、
カニの本場で堂々と輸入カニが売られている現状ですが、
カニの本場にお越し頂いた以上は、【本場のカニ】を買って頂きたい。
これが当店の考え方です。

腹側だと青いタグ以外は
判別の手掛かりが…。
元々同じズワイガニという種類
ですので、当たり前と言えば
当たり前ですが…。
通販で【北海松葉】の名で
売られているズワイガニ。
原産国は不明ですが、
1匹1500円弱…。
【料亭向け】と書いてますが、
三代目が料亭に行って
もし冷凍カニが出てきたら
(ノ`´)ノ=┻┻
ってなるでしょう…
コチラの品物の場合、
【本ズワイガニ】という名称は
聞き慣れませんが、原産国は
しっかり表示されています。
甲羅に付いた【黒い粒】
地物の証拠と言われる事も
ありますが、全くの迷信です。
黒い粒の正体がコチラ。
この虫の卵です。
一番上の画像を見ると、
ロシア産のカニにも
付いてますよね。
別のページで詳しく説明
していますのでドウゾ♪
津居山かにの【青いタグ】
一目で分かる判別法です♪

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